-
2022年5月13日相続あれこれ 2022年5月号
※こちらの記事は過去に配信していたオーナー様向け情報より転記したものです。内容は2022年5月13日時点の内容となります。 親子の相続観にあるギャップ 相続の経験の有無と年齢や性別ごとに多項目の調査が実施された「現代日本人の相続観」 50代の場合、約7割が親の相続を経験し、60代では9割に上りました。つまり、50代以上の年齢になると、誰しもが相続に直面することとなるのです。その一方で、相続手続への関わり方は50代以上の各世代で4割以上が代表者として手続を行うも、5割以上が積極的に関わっていないという結果が出ました。 相続に対する意識は親と子どもではどのような温度差が見られたのでしょうか?「財産を渡す立場での意識調査」の中で、親の立場の人たちに「生前の負担と不安」を聴いたところ、「自身の介護」、「高齢時の認知機能の低下」、「入院費用などの経済的負担」がトップ3を占めました。 財産を渡す立場の人に聴いた「生前の負担と不安」 これに対して、ギャップが見られたのが、「相続を受ける立場での意識調査」です。子どもの立場から、「事前に親に準備してほしいこと」を聴いてみると、トップは「財産整理」についてで、相続の経験がある人で50.2%、経験がない人でも46.5%にそれぞれ上りました。その後は、「死後の事務手続きや財産処分」、「財産配分と承継」と続き、4番目に「入院や介護に関する要望」がランクインしました。 相続を受ける立場の人たちに聴いた「事前に親に準備してほしいこと」 今回の調査で親子間のギャップの確認ができました。親の不安は看護、介護、身体の機能低下や経済的な負担。対して子どもは相続関連の手続や税金、財産の把握を心配する声が顕在化しました。つまり、親は自分の健康問題に重きを置いて、相続なんて『まだまだ先のこと』、子どもは財産に関することが上位で、相続について『そろそろ考えないと』と不安を感じているのです。 では、親と子のギャップを埋めるためにはまず何から始めればいいのでしょうか? まずは資産の棚卸しです。どこに何がどれだけあるのかを自分自身で把握すること。次に財産の整理です。よく『少額だから』と放置している口座をいくつも持っている方がいます。ただ、自分は不要だと思っていても、相続の際には名義書換の手続が必要になります。不要な口座は解約してひとつにまとめるなどの整理が大切です。その上で自分の思いをきちんと遺言で明文化させれば後のトラブルを未然に防ぐことができます。こちらの調査結果を参考に、ギャップを埋める取り組みを進めてみていただけましたらと思います。
-
2022年4月15日相続あれこれ 2022年4月号
※こちらの記事は過去に配信していたオーナー様向け情報より転記したものです。内容は2022年4月15日時点の内容となります。 相続を見据えた暦年課税制度の活用 お客様から筆者あてに「連れ合いを亡くし、今回の一時相続は相続税の問題は殆どないが、次にご自身が亡くなったら子供たちに相続税負担が出るのではないか。今からその準備のつもりで、子供やお嫁さんに少しずつ現金を渡そうかと思う」とお話がありました。 確かに相続対策の一つに財産を先に渡す贈与があります。基礎控除額の110万円以下を毎年お渡しになるのは問題ありませんが、ご存知の通り贈与も金額に伴い税金が掛かります。贈与税は、毎年1月1日から12月31日までの間に贈与により取得した財産に対して課される税金です。財産をもらった人が贈与税額を翌年の3月15日までに税務署に申告して納税する必要があります。 暦年課税制度では、基礎控除額110万円を贈与額全体から差し引きその残りの金額に税率を乗じて一定額を控除して納める贈与税額を計算します。 1つ目のポイントは、もらう財産の種類(現金・不動産や非上場株式など)ごとに価額の計算方法が異なるという点です。 2つ目のポイントは、財産をあげる人ともらう人の続柄関係によって税率と控除額が異なるという点です。例えば、兄弟姉妹間の贈与、夫婦間の贈与、親から子への贈与で子が未成年者の場合などの場合は以下一般税率を適用します。また、直系尊属(祖父母や父母など)から、その年の1月1日において20歳以上の者(子・孫など)への贈与の場合は特例税率を適用します。 上げる人もらう人によって税率が違います。親から子への現金贈与、子の教育費や生活費、住宅取得等資金等も非課税措置が適用されるケースがありますので、早い時期から計画的に準備なさることをお勧め致します。また、大切なことは一方的な計画ではなくて、渡す側もらう側とでいつも申し上げる通り「おもい」を伝えることをお忘れなく!
-
2022年3月15日相続あれこれ 2022年3月号
※こちらの記事は過去に配信していたオーナー様向け情報より転記したものです。内容は2022年3月15日時点の内容となります。 令和4年度税制改正が贈与税に与える影響 令和3年12月、令和4年度の税制改正大綱が決定しました。今回は令和4年度の税制改正大綱のうち、住宅取得資金に係る贈与税について改正内容について解説します。気になる生前贈与についても少し触れておきます。 【住宅取得等資金に係る贈与税の非課税】 「適用期限」住宅取得等資金に係る贈与税の非課税については、適用期限(令和3年12月31日)を令和5年12月31日まで2年延長。 「非課税限度額」非課税限度額は住宅用家屋の取得等に係る契約の締結時期にかかわらず、住宅取得等資金の贈与を受けて新築等をした次に掲げる住宅用家屋の区分に応じ、それぞれ次に定める金額とする。 省エネ等の住宅用家屋 1,000万円 一般の住宅用家屋 500万円 「既存住宅用地の要件」適用対象となる既存住宅用家屋の要件について、築年数要件を廃止するとともに、新耐震基準に適合している住宅用家屋であることを加える。※登記簿上の建築日付が昭和57年1月1日以降の家屋については、新耐震基準に適合している住宅用家屋とみなす。 「受贈者の年齢要件」受贈者の年齢要件を18歳以上(現行は20歳以上)に引き下げ。上記の改正は令和4年1月1日以降に贈与により取得する住宅取得等資金に係る贈与税について適用するとのことです。※受贈者の年齢要件については令和4年4月1日以降となります。 【生前贈与の改正について】 気になる生前贈与については以前より節税策を締め付けられるではないかと議論がありますが、今回の改正では生前贈与の節税策を締め付ける改正はございませんでした。ただし、来年以降に持ち越され検討されることになっており、改正される可能性がありますので、生前贈与での節税を検討している方については、早目に実施していく必要があると言えます。 参考までに令和4年度税制改正大綱の記述の一部を抜粋し、今回は締めさせていただきます。 「わが国では、相続税と贈与税が別個の税体系として存在しており、贈与税は、相続税の累進回避を防止する観点から高い税率が設定されている。このため、将来の相続財産が比較的少ない層にとっては、生前贈与に対し抑制的に働いている面がある一方で、相当に高額な相続財産を有する層にとっては、財産の分割贈与を通じて相続税の累進負担を回避しながら多額の財産を移転することが可能となっている。 今後、諸外国の制度も参考にしつつ、相続税と贈与税をより一体的に捉えて課税する観点から、現行の相続時精算課税制度と暦年課税制度あり方を見直すなど、格差の固定化防止等の観点も踏まえながら、資産移転時期の選択に中立的な税制の構築に向けて、本格的な検討を進める。」
-
2022年2月15日相続あれこれ 2022年2月号
※こちらの記事は過去に配信していたオーナー様向け情報より転記したものです。内容は2022年2月15日時点の内容となります。 2022年民法改正で注目したい7つのポイント② 今回は2022年民法改正で注意したいポイント7つ!の第二回になります。 1.結婚期間20年以上の夫婦は住居の贈与が特別受益の対象外に 結婚期間20年以上の夫婦が、夫婦間で住居を生前贈与や遺贈した場合、特別受益の対象外とする制度が新たに定められます。特別受益とは、被相続人から生前贈与や遺贈などで受けた特別な利益のことです。この特別受益を受け取っていると、相続時に特別受益の分だけ相続できる金額を減らされてしまいます。つまりこの改正で、配偶者が相続前後にもらった住居を相続時の財産として含めなくなるため、住居以外の財産を十分に受け取れるようになりました。住む場所を確保しつつ他の財産も受け取れるので、配偶者にとってはメリットの大きい変化です。なお、配偶者居住権・特別受益対象外の恩恵を受けられるのは、婚姻関係のある夫婦に限られます。内縁の夫や妻にはこの権利は認められません。 2.遺産分割前に生活費を引き出し可能に これまで、相続が発生すると金融機関の口座は凍結され、預金の引き出しには相続人全員の署名と印が必要でした。そのため、葬儀代などの必要経費は誰かが立て替えたり、配偶者は生活費を引き出せなかったりするなどの不便がありました。今回の改正で、一部の相続人からの申し出によって預金が引き出せるようになります。これにより、葬儀費用や遺された配偶者の生活費なども被相続人の口座からスムーズに支払うことができます。なお、引き出せる上限額はこれから決定される予定です。 3.被相続人の介護や看病で貢献した親族は金銭請求が可能に これまで相続人以外の親族は相続を受けられませんでした。また、被相続人を生前に介護・看病した相続人が、その貢献度に見合った相続額の増額を主張しても、他の相続人が納得しなければ認められませんでした。たとえば親と同居する三男の妻が介護などで苦労したとしても、相続財産のうち夫である三男の取り分が介護貢献の寄与分として評価されることはありますが、妻自身が相続によって財産を取得することはできません。 今回の改正で、被相続人の介護・看病で貢献した親族(6親等以内の血族と3親等以内の姻族)は、相続人ではなくても金銭請求が可能になります。これにより、親族間での介護や看病が円滑化することが期待されています。
-
2022年1月14日相続あれこれ 2022年1月号
※こちらの記事は過去に配信していたオーナー様向け情報より転記したものです。内容は2022年1月14日時点の内容となります。 農地でよくある相続トラブルのパターン 農地が相続財産に含まれていると、通常よりも手続きが増えることがあります。相続人同士の間でトラブルになる可能性もないとはいえません。農地相続で代表的な4つのトラブルパターンを紹介します。 1.遺産分割の方法がまとまらない 相続財産に不動産が含まれている場合、相続人に名義を変更するには登記申請を行う必要があります。「相続登記」は不動産登記簿に記録された所有者などが亡くなった場合に、権利を取得した人に名義を変更する手続きです。 所有者などが亡くなった場合、自動的に不動産登記簿も変更されるわけではありません。手続きをしないと亡くなった人が所有者としていつまでも記録に残ります。 そして、相続放棄をしていない相続人については、法定相続割合以外で登記をする場合は、相続登記の前提として遺産分割協議に参加してもらう必要があります。 遺産分割の手続きは、原則として相続人全員が参加し、協議が成立してはじめて、定まった割合で登記を行うことができます。当事者の数が多いほど、協議は難航するでしょう。 2.誰も農業を継続しないので引き継ぎ手がない 相続人全員が農業を行っていなければ、誰も農地の相続を希望しないことがあります。 耕作希望者がいなくても、近隣に希望者がいれば貸し出すことができることもあります。 しかし、そのような人が見つからなければ、それまで作物を栽培していた農地は耕作放棄地となって、荒れ地になってしまいます。 また、相続人が近隣に住んでいればよいのですが、全員が農村を離れて、都会に生活拠点を置いていることも珍しくありません。その場合、何らかの方法で農地の処分を目指すことが一般的です。 3.農地の相続、転用や売却の手続方法がわからない 農地は、宅地と異なり農地法の制約があり、宅地に転用したり、売買したりすることについては、一定の制約が課されています。相続登記を行うにあたっての制約はないものの、その後の使用方法について検討する場合は、専門家に相談しましょう。 4.農地の相続税が高くなって払えない 農地でも、宅地と同様に相続税法上の評価額が高くなるケースがあります。 例えば、市街化区域内にあり、転用が容易な農地などです。 農地は一般的に面積が大きいので、宅地と同水準で評価される場合は、地域によっては評価額が高額になり、相続税も多額になる可能性があります。 いかがでしたでしょうか。弊社ではこうした相続のトラブルに備え、各士業の先生方と提携しておりますので、お困りごとがございましたら是非ご相談下さい。
-
2021年12月15日相続あれこれ 2021年12月号
※こちらの記事は過去に配信していたオーナー様向け情報より転記したものです。内容は2021年12月15日時点の内容となります。 年末に総復習!相続のキホン 早いものでもう12月です。今更ですが相続の基本をおさらいし、今年の相続あれこれの締めとさせていただきます。 【相続】とは、ある人が死亡したときにその人の財産(すべての権利や義務)を、特定の人が引き継ぐことをいいます。簡単にいうと、亡くなった人の財産を配偶者や子どもといった関係者がもらうことです。相続では、この亡くなった人を「被相続人」、財産をもらう人を「相続人」といいます。 【遺産】とは、亡くなった人の財産のことです。具体的には次のようなものがあり、相続の対象となります。 現金や預貯金 株式等の有価証券 車・貴金属等の動産 土地・建物等の不動産➡この評価と現金化が難しい! 借入金等の債務(マイナスの財産) 賃借権・特許権・著作権等の権利 【法定相続】 民法で決められた人が決められた分だけもらう相続【遺言による相続】 亡くなった人が遺言書により相続の内容を決める相続【分割協議による相続】 相続人全員で協議して遺産の分割方法を決める相続 皆様、相続・遺言のことをご存知でも具体的に自分や家族に当てはめて考えていらっしゃいますか?既に夫が他界し娘と同居されていて、同居されているお嬢さんには常日頃「この家はあなたに任せるから、お姉ちゃんと仲良くやってね」と話をされている。でも、その「お姉ちゃん」には「この家を妹にあげて仲良くやってね」とは伝えていない。お母様が突然亡くなって遺言は無く「お姉ちゃん」が「この家の相続の権利、私にもあるから、家売ってお金ほしい」とか言われてしまうことがあります。相続財産に不動産以外にそれなりの現金があれば問題ありませんが、そうではないことが多々あります。また、お母様が同居の娘にはポンポン物を言えるのに別居の子供たちには何か言いづらいようで、伝えない。子供側からすると年老いた親に亡くなった後の事を話題にし辛い。等々、お互い思いがあっても口に出していないのが多いです。 最近、私は子供たちと家の話をしました。今まで誰も家について興味を示していなかったのに長男が「お父さんの住んでいる家が欲しいから、お父さんが勝手に処分しないようにしてね」と言って来ました。私は子供たちに残せる金銭はないので、兄弟助け合って楽しい人生が送れるように彼らが知らない事を日々伝えるのが私からの贈り物と考えています。 そこで、筆者からのご提案です!! 《年末年始にご家族が揃う機会がありましたら、思い切って話題になさってみませんか?!》 本年もありがとうございました。晴れやかな気持ちで新年をお迎えできることをお祈りしております。
-
2021年11月15日相続あれこれ 2021年11月号
※こちらの記事は過去に配信していたオーナー様向け情報より転記したものです。内容は2021年11月15日時点の内容となります。 相続登記義務化の法改正が成立 先般、民法・不動産登記法部会議で「民法・不動産登記法(所有者不明土地関係)の改正等に関する要綱案」が決定されました。これにより所有者不明の土地の諸問題の対策・解決を目的として、相続登記の義務化が定められ、衆議院を通過、4月21日に参議院で可決・成立しました。 所有者不明となる大きな原因としては、土地の登記名義人の住所が正しく登記されていないケース、相続の際に親の家や土地の名義変更をしないケース、適切な相続登記が行われないことが原因のケースが多いようです。現在の法律では、相続登記は義務ではないため、相続登記をしないまま長期間放置されている事例が多々ありますが、相続登記が義務化されることによって所有者不明土地問題の解消が期待されています。 例えば、登記名義人は既に死亡しており、数代にわたり相続登記されておらず、現在の相続人を探索することが困難な状態がこれにあたり、こういった所有者不明土地は、直ちに売却することができず、また土地上に建物を建築することにも支障が生じます。また、不法投棄の原因にもなっているため、土地の有効活用の妨げになり、経済的な損失が生じていると考えられています。 法改正で相続登記が義務化されると「①土地の有効利用が可能」になります。相続した土地の所有者が明らかになるので、所有者が土地の売却や賃貸、建物を建築するなど土地を有効利用することが可能になります。また公共事業における収用の合理化・円滑化も可能になり、国や自治体が公共事業として土地を有効利用することが可能になると考えられます。その他、「②土地に関するトラブルが減る」ことが考えられます。所有者不明土地が長期間放置されることにより、土地が荒れ放題になったり、廃棄物が放置されるなど周辺環境に対して悪影響が生じる可能性がありますが、相続登記が義務化すれば、相続した土地の所有者が登記上明らかになりますので、不法投棄にも迅速に対応することが可能になります。 改正法ではその期間も設定されており、不動産の登記名義人が亡くなった場合、相続人は亡くなったことを知り、かつその不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請しなければならないと定めています。合わせて相続登記の義務化だけではなく、不動産の登記名義人の氏名や住所の更新を図るための仕組みが規定されており、不動産の登記名義人の氏名や名称又は住所の変更があった場合、不動産の登記名義人はその変更があった日から2年以内に変更登記の申請をしなければならないと設定されております。 違反者には過料(相続登記を申請する義務がある者が正当な理由がないのに申請を怠った場合は10万円以下、不動産の登記名義人の氏名等や住所の変更登記申請を正当な理由がないのに申請を怠ったときは、5万円以下の過料)に処するルールが設けられております。 相続登記の義務化は2021年4月21日に可決・成立しているので、今後2024年を目処に施行される予定です。法改正により、今後所有者不明の土地問題は徐々に解消されていくかもしれません。
-
2021年10月15日相続あれこれ 2021年10月号
※こちらの記事は過去に配信していたオーナー様向け情報より転記したものです。内容は2021年10月15日時点の内容となります。 2022年民法改正で注目したい7つのポイント① 1、配偶者居住権を新設 今回の改正で「配偶者居住権」が新設されます。配偶者居住権とは、被相続人の配偶者が同居している住居にそのまま住み続けられる権利のことです。(※配偶者居住権は、不動産の登記簿謄本に登記をしなければ効力を発揮しません。)現在の制度でも、自宅の所有権を相続すれば同じ住居に住み続けることは可能ですが、遺産分割の際に所有権の分を差し引くため、得られる他の財産が少なくなってしまいます。 例えば「夫・妻・子2人」の家族のケースで説明します。夫の財産が1億円あり、そのうち「自宅評価額:6,000万円」「預貯金:4,000万円」としたとき、一般的な相続金額は以下の通りとなります。 妻:自宅6,000万円子:それぞれ預貯金2,000万円ずつ この相続の問題点は、配偶者が住居を確保するために自宅を相続しますが、預貯金を受け取れず、家はあっても今後の生活費に不便するという所にあります。 しかし、配偶者居住権があれば、下記のように相続ができます。 妻:自宅3,000万円(居住権)+預貯金2,000万円子:それぞれ自宅1,500万円(所有権のみ)+預貯金1,000万円 これにより、配偶者は自宅に住み続けながら預貯金も受け取ることが可能です。 配偶者居住権によるメリットとして以下の点が挙げられます。 配偶者の居住権を守りつつ、預貯金など他財産も受け取れる可能性が大きくなる 配偶者の二次相続が発生した際、自宅が3,000万円分のみ相続税の対象になることで、相続税を抑えられる可能性がある しかし、所有権のみを受け取った子にとっては「住んでいない住居の所有権があっても利用価値が少ない」「所有権があるために固定資産税を負担する義務が生まれる」などの懸念があります。配偶者居住権の行使にあたっては、一次・二次相続時の相続税額と合わせて総合的に判断する必要があるでしょう。
-
2021年9月15日相続あれこれ 2021年9月号
※こちらの記事は過去に配信していたオーナー様向け情報より転記したものです。内容は2021年9月15日時点の内容となります。 いよいよ始まる「相続登記の義務化」 ○相続登記の義務化 親等が亡くなり、相続人が不動産を相続したときに名義変更することを「相続登記」といいます。現在「相続登記」には期限の定めがなく、義務もありません。そのため相続登記を放置する人が増え、その結果、現在の所有者が不明な土地(所有者不明土地)が九州の面積を上回る規模になってしまったといわれています。この問題を解消するために今回の改正で「相続登記」が義務化されることになりました。 ○相続登記義務、怠ってしまった場合どうなるの? 「相続登記」は相続開始から3年以内に手続きすることが義務付けられます。(遺言で財産を譲り受けた場合も含む。)この法律は、公布日である2021年4月28日から3年以内に施行されることになっており、2024年にも開始される予定です。この改正で注意すべき点は、施行日前に発生した相続登記についても対象にしているということです。つまり先祖代々の土地で何代も相続登記がなされずに今や対象となる相続人が増えすぎて誰が相続人かも正直わからないという土地についても3年以内に手続きすることが必要となります(施行日が2024年の場合、2027年までに手続きが必要)。 なお、この手続きを正当な理由なく怠った場合は、10万円以下の過料を科す、とされています。 ○相続人のうちの一人の届け出で登記義務完了 義務化なんて言われても、今更相続人全員で分割協議なんて不可能、という方もいらっしゃるかと思います。そのため今回の改正では、相続人のうちの一人が相続人であることを法務局の登記官に申し出ることで登記義務を履行したものとみなしてもらえる「相続人申告登記制度」が新設されます( 2021年4月28日から3年以内に施行)。ただし、「相続人申告登記制度」の利用後、遺産分割によって所有権を取得したときは、改めて分割の日から3年以内に所有権移転登記が必要となります。3年以内に分割協議が整いそうもないという場合には、まずはこの制度を利用して申し出るということを忘れないようにしましょう。
-
2021年8月13日相続あれこれ 2021年8月号
※こちらの記事は過去に配信していたオーナー様向け情報より転記したものです。内容は2021年8月13日時点の内容となります。 今回、お話しさせて頂くのは、お子様がいらっしゃらないご夫妻の話です。奥様が相続でお持ちになっている物件を長年当社で管理を任せて頂いています。 奥様に持病があり、ご主人様が家事全般をなさっていましたが、その頼りのご主人様が突然お亡くなりになりました。ご主人様は耳が少し不自由でしたので、やり取りは対面が主でした。ご訪問しても奥様とはほとんど会話したことがありませんでした。生前のご主人様から奥様はご実家との付き合いを嫌っていらしたことは聞いていました。 ご主人様が亡くなった話はご主人様の妹様からでした。びっくりです。つい先日ビッグスクーターで来店してくださっていたのですから。妹様立会の元、お悔やみ訪問をさせて頂きました。 奥様は「現在自分の面倒を見てくれているのは、義妹で自分たちの財産は全てこの義妹にあげる」と仰いました。ただ奥様とのやり取りで「おや?」と思ったのは私だけではありませんでした。同行した弊社代表も「あれ?!」と。なぜかというと認知症が疑われたからです。 私たちは奥様の意思を確認し、公正証書遺言作成するつもりで訪問しましたが、これでは無理です。弁護士に相談しましたが「医師の診断を仰いでみたらどうか」程度のアドバイスしかありません。 その後、役所関係の人が間に入り、現在ご本人様は施設に入所なさっています。義姉妹は時々、家の風入れに行き、郵便物を回収、請求書があればお金を立て替えて支払い、施設とのやり取りも全てなさっています。義姉妹は「兄が面倒を見て来た人だから、私たちが見るは当然です」と爽やかな話っぷりです。そんな時下記制度が出来て良かったです。 今年の民法改正に「寄与分制度」があります。被相続人の財産の維持又は増加に特別の寄与(貢献)をした相続人に対しては,遺産分割の際に,法定相続や指定相続分にかかわらず,寄与に相当する額の財産を取得させることができます。 相続人ではない親族が無償で被相続人の介護や看病に貢献し、被相続人の財産の維持または増加について特別の寄与をした場合には、相続人に対し、金銭の請求をすることができるようになりました。 いつ何が起こるかわからないのが人生です。大切な方の為に「遺言」つくりましょう!!

