相続あれこれ 2021年10月号

※こちらの記事は過去に配信していたオーナー様向け情報より転記したものです。内容は2021年10月15日時点の内容となります。

2022年民法改正で注目したい7つのポイント

1配偶者居住権を新設

 今回の改正で「配偶者居住権」が新設されます。配偶者居住権とは、被相続人の配偶者が同居している住居にそのまま住み続けられる権利のことです。(※配偶者居住権は、不動産の登記簿謄本に登記をしなければ効力を発揮しません。)
現在の制度でも、自宅の所有権を相続すれば同じ住居に住み続けることは可能ですが、遺産分割の際に所有権の分を差し引くため、得られる他の財産が少なくなってしまいます。

例えば「夫・妻・子2人」の家族のケースで説明します。
夫の財産が1億円あり、そのうち「自宅評価額:6,000万円」「預貯金:4,000万円」としたとき、一般的な相続金額は以下の通りとなります。

妻:自宅6,000万円
子:それぞれ預貯金2,000万円ずつ

この相続の問題点は、配偶者が住居を確保するために自宅を相続しますが、預貯金を受け取れず、家はあっても今後の生活費に不便するという所にあります。

しかし、配偶者居住権があれば、下記のように相続ができます。

妻:自宅3,000万円(居住権)+預貯金2,000万円
子:それぞれ自宅1,500万円(所有権のみ)+預貯金1,000万円

これにより、配偶者は自宅に住み続けながら預貯金も受け取ることが可能です。

配偶者居住権によるメリットとして以下の点が挙げられます。

  • 配偶者の居住権を守りつつ、預貯金など他財産も受け取れる可能性が大きくなる
  • 配偶者の二次相続が発生した際、自宅が3,000万円分のみ相続税の対象になることで、相続税を抑えられる可能性がある

しかし、所有権のみを受け取った子にとっては「住んでいない住居の所有権があっても利用価値が少ない」「所有権があるために固定資産税を負担する義務が生まれる」などの懸念があります。配偶者居住権の行使にあたっては、一次・二次相続時の相続税額と合わせて総合的に判断する必要があるでしょう。