相続あれこれ 2021年9月号

※こちらの記事は過去に配信していたオーナー様向け情報より転記したものです。内容は2021年9月15日時点の内容となります。

いよいよ始まる「相続登記の義務化」

○相続登記の義務化

親等が亡くなり、相続人が不動産を相続したときに名義変更することを「相続登記」といいます。現在「相続登記」には期限の定めがなく、義務もありません。そのため相続登記を放置する人が増え、その結果、現在の所有者が不明な土地(所有者不明土地)が九州の面積を上回る規模になってしまったといわれています。この問題を解消するために今回の改正で「相続登記」が義務化されることになりました。

○相続登記義務、怠ってしまった場合どうなるの?

 「相続登記」は相続開始から3年以内に手続きすることが義務付けられます。(遺言で財産を譲り受けた場合も含む。)この法律は、公布日である2021年4月28日から3年以内に施行されることになっており、2024年にも開始される予定です。この改正で注意すべき点は、施行日前に発生した相続登記についても対象にしているということです。つまり先祖代々の土地で何代も相続登記がなされずに今や対象となる相続人が増えすぎて誰が相続人かも正直わからないという土地についても3年以内に手続きすることが必要となります(施行日が2024年の場合、2027年までに手続きが必要)。 なお、この手続きを正当な理由なく怠った場合は、10万円以下の過料を科す、とされています。

○相続人のうちの一人の届け出で登記義務完了

 義務化なんて言われても、今更相続人全員で分割協議なんて不可能、という方もいらっしゃるかと思います。そのため今回の改正では、相続人のうちの一人が相続人であることを法務局の登記官に申し出ることで登記義務を履行したものとみなしてもらえる「相続人申告登記制度」が新設されます( 2021年4月28日から3年以内に施行)。ただし、「相続人申告登記制度」の利用後、遺産分割によって所有権を取得したときは、改めて分割の日から3年以内に所有権移転登記が必要となります。3年以内に分割協議が整いそうもないという場合には、まずはこの制度を利用して申し出るということを忘れないようにしましょう。