※こちらの記事は過去に配信していたオーナー様向け情報より転記したものです。内容は2021年11月15日時点の内容となります。
相続登記義務化の法改正が成立
先般、民法・不動産登記法部会議で「民法・不動産登記法(所有者不明土地関係)の改正等に関する要綱案」が決定されました。これにより所有者不明の土地の諸問題の対策・解決を目的として、相続登記の義務化が定められ、衆議院を通過、4月21日に参議院で可決・成立しました。
所有者不明となる大きな原因としては、土地の登記名義人の住所が正しく登記されていないケース、相続の際に親の家や土地の名義変更をしないケース、適切な相続登記が行われないことが原因のケースが多いようです。現在の法律では、相続登記は義務ではないため、相続登記をしないまま長期間放置されている事例が多々ありますが、相続登記が義務化されることによって所有者不明土地問題の解消が期待されています。
例えば、登記名義人は既に死亡しており、数代にわたり相続登記されておらず、現在の相続人を探索することが困難な状態がこれにあたり、こういった所有者不明土地は、直ちに売却することができず、また土地上に建物を建築することにも支障が生じます。また、不法投棄の原因にもなっているため、土地の有効活用の妨げになり、経済的な損失が生じていると考えられています。
法改正で相続登記が義務化されると「①土地の有効利用が可能」になります。相続した土地の所有者が明らかになるので、所有者が土地の売却や賃貸、建物を建築するなど土地を有効利用することが可能になります。また公共事業における収用の合理化・円滑化も可能になり、国や自治体が公共事業として土地を有効利用することが可能になると考えられます。その他、「②土地に関するトラブルが減る」ことが考えられます。所有者不明土地が長期間放置されることにより、土地が荒れ放題になったり、廃棄物が放置されるなど周辺環境に対して悪影響が生じる可能性がありますが、相続登記が義務化すれば、相続した土地の所有者が登記上明らかになりますので、不法投棄にも迅速に対応することが可能になります。
改正法ではその期間も設定されており、不動産の登記名義人が亡くなった場合、相続人は亡くなったことを知り、かつその不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請しなければならないと定めています。合わせて相続登記の義務化だけではなく、不動産の登記名義人の氏名や住所の更新を図るための仕組みが規定されており、不動産の登記名義人の氏名や名称又は住所の変更があった場合、不動産の登記名義人はその変更があった日から2年以内に変更登記の申請をしなければならないと設定されております。
違反者には過料(相続登記を申請する義務がある者が正当な理由がないのに申請を怠った場合は10万円以下、不動産の登記名義人の氏名等や住所の変更登記申請を正当な理由がないのに申請を怠ったときは、5万円以下の過料)に処するルールが設けられております。 相続登記の義務化は2021年4月21日に可決・成立しているので、今後2024年を目処に施行される予定です。法改正により、今後所有者不明の土地問題は徐々に解消されていくかもしれません。
