相続あれこれ 2022年3月号

※こちらの記事は過去に配信していたオーナー様向け情報より転記したものです。内容は2022年3月15日時点の内容となります。

令和4年度税制改正が贈与税に与える影響

令和3年12月、令和4年度の税制改正大綱が決定しました。今回は令和4年度の税制改正大綱のうち、住宅取得資金に係る贈与税について改正内容について解説します。気になる生前贈与についても少し触れておきます。

住宅取得等資金に係る贈与税の非課税

「適用期限」
住宅取得等資金に係る贈与税の非課税については、適用期限(令和3年12月31日)を令和5年12月31日まで2年延長。

「非課税限度額」
非課税限度額は住宅用家屋の取得等に係る契約の締結時期にかかわらず、住宅取得等資金の贈与を受けて新築等をした次に掲げる住宅用家屋の区分に応じ、それぞれ次に定める金額とする。

  •  省エネ等の住宅用家屋 1,000万円
  •  一般の住宅用家屋 500万円

「既存住宅用地の要件」
適用対象となる既存住宅用家屋の要件について、築年数要件を廃止するとともに、新耐震基準に適合している住宅用家屋であることを加える。
※登記簿上の建築日付が昭和57年1月1日以降の家屋については、新耐震基準に適合している住宅用家屋とみなす。

「受贈者の年齢要件」
受贈者の年齢要件を18歳以上(現行は20歳以上)に引き下げ。
上記の改正は令和4年1月1日以降に贈与により取得する住宅取得等資金に係る贈与税について適用するとのことです。
※受贈者の年齢要件については令和4年4月1日以降となります。

生前贈与の改正について

気になる生前贈与については以前より節税策を締め付けられるではないかと議論がありますが、今回の改正では生前贈与の節税策を締め付ける改正はございませんでした。ただし、来年以降に持ち越され検討されることになっており、改正される可能性がありますので、生前贈与での節税を検討している方については、早目に実施していく必要があると言えます。

参考までに令和4年度税制改正大綱の記述の一部を抜粋し、今回は締めさせていただきます。

「わが国では、相続税と贈与税が別個の税体系として存在しており、贈与税は、相続税の累進回避を防止する観点から高い税率が設定されている。このため、将来の相続財産が比較的少ない層にとっては、生前贈与に対し抑制的に働いている面がある一方で、相当に高額な相続財産を有する層にとっては、財産の分割贈与を通じて相続税の累進負担を回避しながら多額の財産を移転することが可能となっている。 今後、諸外国の制度も参考にしつつ、相続税と贈与税をより一体的に捉えて課税する観点から、現行の相続時精算課税制度と暦年課税制度あり方を見直すなど、格差の固定化防止等の観点も踏まえながら、資産移転時期の選択に中立的な税制の構築に向けて、本格的な検討を進める。」