相続あれこれ 2025年4月号

※こちらの記事はオーナー様向け情報より転記したものです。内容は2025年4月15日時点の内容となります。

遺言書を書きましょう

今回の相続コラムは井田が担当致します。
「遺言書」についてご紹介したいと思います。

Aさんが亡くなり、息子さんと娘さんがいたとします。
相続財産が家と預金合わせて5,000万円の場合、「均等」に分けようとしたら2,500万円ずつ分ける事となります。

 ただ、家(土地・建物)が4,000万円の価値で預金が1,000万円しかない場合、どう分ければいいのでしょうか?更に、その家は息子さんと同居していたとしたら、どうなるでしょうか?

 遺言書が無いと、話し合いで決まらなければ法定相続分通りに分ける事となります。例え息子さんが同居していたとしても関係ありません。息子さんがお金を用意できなければ(代償金として)、住んでいた家を売って分けるほかないのです。果たしてこれは「平等」なのでしょうか?

 遺言書は、残された家族が揉めずに今後の生活を送るためにとても大きな役割を担っています。

遺言書は、単に財産分割を指定する紙ではなく、遺された家族が目にする被相続人(亡くなった方)からの『最後の手紙』なのです。勿論、相続人同士の話し合いで遺言通りにしなくても大丈夫です。

“遺言書があれば絶対揉めない”とは言い切れません。全ての財産は全員平等に分けられるとは限りませんので、相続人の中には“なんで兄の方が多いんだ”と思う方もいらっしゃると思います。

そんな時に有効になるのは『付言事項』を書く事です。付言事項とは法的効力を与える目的ではありませんが、被相続人(亡くなった方)にどのような想いがあるのか、家族への感謝やそれぞれの相続人に想いを書き表す事が出来ます。例えば自分や妻と同居して面倒を見てくれた息子さんには少し多めに財産を残したいというお気持ちがあれば、付言事項に息子さんへの感謝と共に娘さんへ均等に出来なかった事への配慮の言葉を記します。

 『一郎・一郎の妻◇◇さんには、今まで私たちを見守ってくれて大変感謝しています。特に晩年は苦労を掛けました。◇◇さんへの感謝の気持ちも込め、少しですが多く財産を残させてもらいます。

花子が家族皆で帰省してくれる事、いつも楽しみにしていました。ありがとう。財産を均等に分けてあげられない事、大変申し訳ないが、私の意図するところを是非、理解してくれるよう願います。』

このように 『付言事項』で想いを伝えるとともに、財産の分け方が記されていれば相続人の心情としても、納得しやすい状況を作る事が出来ます。

自宅の仏壇や金庫の中では、紛失亡失(見つからない)や廃棄・隠匿・改竄が起こる危険性がありますので、法務局で遺言書を保管してくれるサービス(自筆証書遺言書保管制度)がおすすめです。同制度を利用すると、3,900円で遺言書を保管してもらえる事が可能で、ご自身が亡くなった際に相続人1名に通知をしてくれる制度等もございます。

※遺言書自体が法的に有効なものであるのか、中身の精査はしてもらえませんのでご注意下さい。