相続あれこれ 2025年3月号

※こちらの記事はオーナー様向け情報より転記したものです。内容は2025年3月14日時点の内容となります。

「相続」ならぬ「争族」、トラブルを未然に防ぐには?

今回の相続コラムは新倉が担当致します。

 遺産を巡る複数の相続人間でのトラブルを意味する「争族」という言葉が使われることがあります。今回は、どのようなトラブルがあるのか、またトラブルを避けるために被相続人がすべきことや不動産相続の基本についてみていきましょう。

 (相続)名義変更は、正式には「所有権移転登記」と呼ばれる手続きです。
 不動産を相続した際は、登記をしていなくても各相続人(遺産分割を行った場合は不動産の権利を取得した相続人)がその所有権を取得します。
 しかし、第三者に不動産が自分のものだと主張するためには、相続登記が必要になります。相続登記はしていないと、不動産の売却もできないというトラブルをも引き起こします。また、2024年4月1日より相続登記が義務化されました。義務化の施行日(2024年4月1日)以前に発生していた相続にも遡及して適用されます。
 不動産の所有権を相続した方は、「相続の開始および不動産の所有権を取得したことを知った日」から3年以内に相続登記を申請しなければなりません。相当な理由がないのに、義務に違反した場合10万円以下の過料が科されることがあります。

 相続でのトラブルの大きな原因の一つは遺産の分け方です。法律的には、死亡した人を「被相続人」、その被相続人の財産を受け継ぐ権利を持つ人を「相続人」と呼びます。原則として、相続財産をどう分けるかは、相続人間の話し合いである「遺産分割協議」で自由に決めていいことになっています。
 しかし、当事者だけでこの協議がうまくいかない場合は、家庭裁判所に持ち込まれて調停になり、調停も不調に終わると審判になります。こうした状態が、いわゆる「争族」状態であります。

 「自分の親族間では相続トラブルは起こらない」……皆、今はそう思っているかもしれません。ですが、相続が現実になったとき、決して少なくない方々が「争族」に巻き込まれているようです。
 他にも、連絡を取っていない相続人がいる、誰が相続人なのかまったくわからないなど、いろいろなトラブルが考えられます。
 また、特に不動産は分けにくいということも争いの原因の一つとして挙げられます。たとえば、被相続人の一人が相続人の一人と同居してきた家に「住み続けたい」「親の面倒を見てきた寄与分がある」という主張があり、現金は残らないというケース、収益のある賃貸物件をある一人の相続人が独占したいと考え、争うケースなどもあるため、生前に十分な話し合いの時間を作りたいですね。