相続あれこれ 2022年12月号

※こちらの記事は過去に配信していたオーナー様向け情報より転記したものです。内容は2022年12月15日時点の内容となります。

実例から学ぶ、相続に備えた事前準備

あっという間に師走です。子供時代は、楽しいことをしているとあっという間に時間が過ぎて、「何で勉強中はすご~く長く感じるのになぁ~」と思っていました。大人になって年々、時間というか年単位で「速い!」と感じます。これは良く「年を取ったせいだ」とされますが私は違うと思います。子供の頃と同じ・・楽しいからです!

「でも、心配なのはもっと年齢を重ね いつか自分が亡くなった後のこと」と言う方がいらっしゃるのではないでしょうか?

 今回は私の幼稚園から家族ぐるみで仲良くしている友人の話をさせていただきます。

友人のお母様、川崎市のA子様は数年前ご主人様を見送り、今年米寿を迎えましたが数軒先にコンビニエンスストアもあり、特に不便もなく一軒家に一人暮らしなさっています。

以前、銀行を通して大手不動産会社に「思い出深い家を自分が生きている間は壊したくない、日本家屋に住んでみたい外国人とかに貸せないか」相談したら「借り手はいませんよ、土地なら買手はあるでしょうが」とあっさり言われ、残念な気持ちでいたようです。

先日お邪魔した時に、「娘(私の友人)も孫も誰もこの家が必要ないと言っているから不動産会社に勤務しているあなたが頼りよ、よろしくね!」
「任せて!」という会話をしました。

先ず、A子様は「自宅を貸したい」と希望されています。
大手不動産会社は「借り手はいない」と言ったけど私は金額次第で貸せると思いますので、どのくらい設備投資すれば良いか近々リフォーム業者さんに見て頂くことにしました。

喜んだものつかの間、今度は「自宅を賃貸できればその賃料を施設の費用に充てられれば助かるけど、この先【ぼけ】てしまったらどうしましょう?」とさらに先の心配がはじまりました。

友人は「成年後見」とかどうかと検討していますが、相続人は友人一人だけで、相続争いに心配は無いのです。彼女の心配は母親の年齢に伴う判断能力が衰えた時に、親の財産をいじれない事です。

そこで「家族信託」というものがあります。家族信託における受託者とは、「委託者から託された財産を管理し、運用する立場」の人です。財産の名義は受託者になるので、受託者は「財産の形式上の所有者」という立場になります。受託者は信託目的の範囲で、信託財産の管理や運用に関する大きな権限と義務を持ちます。具体的には、受託者は信託財産の保存行為や賃貸等の収益を図るための運用行為ができます。また、信託契約の内容によっては新たな不動産の購入や借入行為まで行うことができます。受託者は、信託契約に基づいて家庭裁判所の介在なく財産を管理できます。

老後は家族だけでは上手くいきません。昔と違って施設に家族を預けることは当たり前のことです。面倒が見切れなくなって入所して頂くのと、自分の意志でお世話になる所を決めるのとでは生きて行く楽しさが違います。

明日は我が身・・老後のことをお正月にご家族でじっくりと話題になさるのはいかがでしょうか?