相続あれこれ 2022年7月号

※こちらの記事は過去に配信していたオーナー様向け情報より転記したものです。内容は2022年7月15日時点の内容となります。

2022年4月1日の民法改正(成年年齢の引下げ)による相続・贈与への影響

2022年4月1日に改正民法が施行され、成年年齢が現行の20歳から18歳に引下げられました。

2022年4月1日の時点で18歳以上20歳未満の方はその日に、2004年4月2日生まれ以降の方は、18歳の誕生日に成年に達することになります。今回の成年年齢の引下げは相続や贈与の分野でもいくつか影響があります。主な項目の変更点を見ていきましょう。

1. 贈与税(暦年課税)

2015年以降の贈与税(暦年課税)の税率は、一般税率と特例税率の2種類があり、そのうち特例税率とは、贈与した年の1月1日において20歳以上の者が父母や祖父母などの直系尊属から受けた贈与財産に適用される税率で、一般税率に比べて税負担が軽くなるよう設定されています。この特例税率の適用年齢が、今回の成年年齢引下げにより、2022年4月1日以後の贈与については、贈与した年の1月1日において18歳以上に変更されます。

2. 相続時精算課税制度

相続時精算課税制度とは、贈与した年の1月1日において60歳以上の父母又は祖父母(直系尊属)から、同日において20歳以上の子や孫に対し、財産の贈与を受けた場合において選択できる贈与税の制度です。この場合の子や孫の年齢要件も、2022年4月1日以後の贈与については、贈与した年の1月1日において18歳以上に変更されます。

3. 結婚・子育て資金の一括贈与の非課税

受贈者の年齢要件が、20歳以上50歳未満から18歳以上50歳未満に変更されます。(2022年4月1日以後の贈与)

4. 住宅取得等資金の贈与の非課税

税制改正大綱にて2023年12月末まで2年間延長することとされ、法案が成立した場合、受贈者の年齢要件が、贈与した年の1月1日において20歳以上から18歳以上に変更されます。(2022年4月1日以後の贈与)

5. 未成年者控除

相続又は遺贈により財産を取得した相続人が未成年である場合、算出相続税額から一定額の控除を受けられる「未成年者控除」の適用があります。この「未成年者控除」が、これまで20歳に達するまでの年数につき10万円を乗じて計算した金額が控除されるところが、2022年4月1日以後に開始した相続から18歳に変更されることになります。

6. 遺産分割協議

相続人の中に未成年者がいる場合、その未成年者は遺産分割協議に参加できず、法定代理人である親権者が代わりに参加することになります。しかし、その親権者も相続人である場合には、未成年者と親権者で利益相反の関係となるため、家庭裁判所で特別代理人の選任を申し立てる必要があり、特別代理人がその未成年者に代わって遺産分割協議を行います。それが2022年4月1日以降は、同日時点で18歳以上であれば、遺産分割協議に参加することができます。

7. 遺言施行者

遺言執行者について、民法では「未成年者は遺言執行者になれない」とされています。 2022年4月1日以降は、18歳以上であれば遺言執行者になることができます。