※こちらの記事は過去に配信していたオーナー様向け情報より転記したものです。内容は2021年6月15日時点の内容となります。
<空家の相続にかかる控除と制度概要>
国土交通省が平成26年に実施した空家実態調査によると、周辺の生活環境に悪影響を及ぼし得るその他の住宅である空き家の約75%が旧耐震基準の下で建築されたものであり、また、平成25年における住宅の耐震化の進捗状況の推計値として国土交通省が平成27年6月に公表した数値を考慮すると、そのような空き家のうち約60%が耐震性のない建築物であると推計されています。そこで平成28年度税制改正により、「相続等により取得した空き家を譲渡した場合の3,000万円特別控除」が創設されました。
相続によって取得した空き家を一人暮らしだった被相続人が死亡した日以後3年を経過した日の属する年の12月31日までに譲渡したときは、その空き家を譲渡して得た利益から3,000万円を控除できます。
1.一人暮らしでなければならない
この特例は空き家をなくすことを目的にしていますので、被相続人が亡くなられた時点で一人暮らしの場合に限られます。被相続人に同居者がいなかった場合に限り、亡くなられた方が住んでいた空き家とその敷地を相続された方が売却して利益を得た場合に、その利益から3,000万円の特別控除が認められます。
2.昭和56年5月31日以前に建築された建物に限る
対象は、被相続人の居住の用に供していた「昭和56年5月31日以前に建築された建物とその敷地」に限られます。区分所有建築物は除かれ、建物を壊して敷地のみを譲渡するか、建物について耐震基準を満たすように耐震リフォームをしてから譲渡しなければなりません。もっとも、耐震基準を満たしている建物の場合にはそのまま譲渡しても特例が適用できます。
3.相続から譲渡まで引き続き空き家でなければならない
相続した後、その家や家を取り壊した後の土地を事業の用、貸付けの用又は居住の用に供した場合には、この特例は適用できません。あくまでも相続から譲渡まで引き続き空き家でなければならないのです。「相続開始から譲渡まで空き家であったこと等」については、所在市区町村に状況に応じて売買契約書の写しや電気若しくはガスの閉栓証明書又は水道の使用廃止届出書、使用状況が分かる写真、固定資産税の課税明細書の写しなどを提出し、「被相続人居住用家屋等確認書」の交付を受けて、確定申告書に添付しなければなりません。
4.平成31年4月1日以後の譲渡から老人ホーム等への入居者も適用対象に
平成31年度税制改正により、次に掲げる要件その他一定の要件を満たす場合に限り、相続の開始の直前においてその被相続人の居住の用に供されていたものとして本特例を適用できることとなりました。この改正は、平成31年4月1日以後に行う被相続人居住用家屋又は被相続人居住用家屋の敷地等の譲渡から適用されます。 この特例は平成28年4月1日から令和5年12月31日までの譲渡に適用することとしており、相続の時から相続開始日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までが譲渡期限とされています。
