相続あれこれ 2023年6月号

※こちらの記事は過去に配信していたオーナー様向け情報より転記したものです。内容は2023年6月15日時点の内容となります。

家族信託のススメ

認知症リスクなどに備え、家族に財産を託す「家族信託」が注目されています。信頼できる家族であれば安心して財産管理や運用を任せられ、財産内容を第三者に知られることもありません。

財産管理手法の一つである家族信託は、基本的に「委託者」「受託者」「受益者」の3者で構成されています。財産の所有者である親が委託者及び受益者となり、子などを受託者に指定して財産管理を任せる方法ですが、収益物件など不動産の管理・運用に利用されるケースが多いようです。

認知症の支援策には成年後見制度もありますが、財産を有効活用できず費用もかかるため、利用数はあまり多くありません。また信託銀行等を受託者とする商事信託と異なり、家族から受託者を選ぶため信託報酬も不要です。 家族信託は平成18年(2006年)の信託法改正により、翌年の平成19年に施行された制度です。施行当初の利用者数は少なかったようですが、認知症リスクの増大とともに注目されることになりました。

家族信託のメリット
  1. 財産を有効活用できる
    成年後見制度の場合、成年後見人の役割は財産の保全になるため、被後見人の財産を増やすことも減らすこともできませんが、家族信託では受託者の判断で不動産の賃貸や売却も可能です。
  2. 受託者を変更できる
    成年後見制度では後見人の変更はかなり難しいですが、家族信託では所有者の判断で受託者を変更できる旨を、契約書に盛り込むことが可能です。
  3. 数次相続に対応できる遺言機能
    契約内容に委任や遺言機能を盛り込めるため、二次相続発生以降の財産承継先も指定できます。受益者である祖父母の死後、受益権を孫へ移すといった契約も可能です。
  4. 低コストで財産を信託できる
    成年後見制度では毎月2~6万円程度の報酬が発生しますが、家族信託には信託報酬がありません。
  1. 身上監護は成年後見制度が有利
    施設への入所など、介護や医療に関わる身上監護には成年後見制度を利用するしかなく、家族信託では対応できません。
  2. 歴史が浅いため専門家が少ない
    家族信託には十数年程度の歴史しかないため、詳しい専門家が身近にいないということもあるでしょう

家族信託を利用すると柔軟な財産管理や運用、処分などが可能となります。
遺言では実現できない内容を盛り込むこともできますし、信託事務が確実に行われるよう監督人を設置することも可能です。

しかしどのような対策も「元気なうち」でなければできないため、年齢や健康状態など将来に不安がある場合はお気軽に弊社までご相談ください。