※こちらの記事は過去に配信していたオーナー様向け情報より転記したものです。内容は2020年8月14日時点の内容となります。
<2020年7月新設!遺言書作成後の保管に関する制度について>
2020年7月10日から法務局による自筆証書遺言の保管制度が新設され、自筆証書遺言を法務局で保管できるようになりました。
遺言書の作成の仕方はいくつかありますが、そのほとんどは自筆証書遺言か公正証書遺言のどちらかです。
公正証書遺言は、公証役場で作成するので、安全性が高く広く一般的ですが、作成に手間や費用がかかることなどがネックになります。
自筆証書遺言は、自分一人だけで、自分の意思で作成することができるので、気軽に作成でき、費用もかからないのが大きなメリットですが、公正証書のように公証役場に保管されることはないので、自分で保管・管理しなくてはならず、誰かに見つかってしまうような保管方法では偽造や改ざんのリスクがあり、誰にも見つからないような場所に保管してしまうと相続が発生した時に遺族に見つけてもらえない可能性があります。
今回の遺言書保管制度は、気軽に作成できる良さを維持しながら、保管にかかる安全性も高められる制度というわけです。
遺言書の保管方法は、遺言書の原本を保管だけでなく、遺言書をデータ化した記録が保管されることになります。
画像データにすることで原本を預かる法務局以外のどこの法務局でも閲覧が可能となります。
遺言書の原本もデータも、閲覧できるのは本人のみですが、本人が死亡した後は、相続人、遺言により財産の遺贈を受ける受遺者、遺言執行者など一定の人間に限られますが閲覧することができます。例えば転勤や引越しで遺言書原本を保管している法務局から離れて住んでも、他の法務局から遺言の中身を確認することができるのでとても便利になります。
その他のメリット面をまとめてみました。
・形式的なチェックを受けることができます
自筆証書遺言は財産目録以外の部分については、全文自筆で作成、日付、氏名を記載し、押印しなくてはならず、これらの要件を満たさない自筆証書遺言は無効となります。
形式的なチェックを法務局で受けることができるため、要式が整っていない無効な遺言作成を防止することができます。
・家庭裁判所での遺言検認手続きが不要です
相続発生後に自筆証書遺言が発見された場合、遺族はすぐに開封することはできません。家庭裁判所に持ち込んで検認手続きを受ける必要があります。検認手続きは実務的に手間と時間がかかりますが、遺言書保管制度では保管前に法務局で形式上のチェックが行われるため、相続発生後の検認が不要です。
・偽造、改ざんのリスクが減ります
法務局で遺言書の原本を預かるので、誰かに書き換えられたり、隠されたりいったリスクを避けることができます。厳重な保管場所で保全されるのは公正証書遺言でしたが、自筆証書遺言でも同じようなメリットが得られます。
・遺言書の未発見リスクが減ります
自宅で保管する場合、簡単に見つからない場所すると遺族が遺言書を見つけられないこともあります。
保管制度を利用すれば、遺族には法務局に遺言書を保管してあると伝えるだけです。場所を知られても改ざんすることはできないので、安全に遺言書の存在を知らせることができます。
以上についてまとめると、今回の相続法の改正で自筆証書遺言の記載内容の不備や間違え、紛失や偽造・改ざん等のおそれが大幅に減ることが考えられます。また保管場所も安全で、検認の手続もいらなくなり、自筆証書遺言の利便性は格段に向上し、作成がしやすくなります。
